いつも資料作りで悩んでいませんか?
読みやすい資料を作るには、中身はもちろん大事ですが、知らない人が見ても一瞬でどういうことかがわかるように工夫をすることが大切です。
そのためには、時には文字の大きさを変えてみたり、表や図を適宜入れてみたりと「見やすい」「読みやすい」デザイン性が求められます。
デザインなんて難しい! と思うかもしれませんが、ちょっとしたコツを掴めば誰でも読みやすい資料を作ることはできるんです。
今回は、誰が見ても読みやすい資料の作り方のコツをご紹介します。
誰に何を説明するのか。資料が使われる場面を考える
資料には目的があります。見やすさだけにこだわるのではなく、その資料で何を伝えたいのかをよく考える必要があります。
読む人によってその資料に求めるニーズが違ってきますから、まずは誰に何を伝えたいのかを明確にします。
誰が何のために読む資料なのか
その資料を読むのは誰か、何のために読むのかによって作り方が変わってきます。 ブレインストーミングや議論をしたい時
- とにかく情報量を多くする
- 文字は多くても良い
意思決定をしたい時
- 意思決定に必要な情報に絞る
- 文字は少なめにして判断材料となる資料やデータを多くする
この2つはあくまでも例ですが、文字数や補足資料の量などは「何をしたいのか」によって変わってくるということを覚えておきましょう。
基本の4パターン
資料には大きく分けて4つのパターンがあります。
- 画像やグラフを入れてそれについて説明する
- 詳細説明、とにかく細かくたくさん説明する資料
- AとBを比較する
- 大まかな流れを項目ごとに説明する
このような形に沿って作っていくと、わかりやすい資料を作ることができますよ。
具体的に、かつ無駄を少なく
読みやすい資料を作るには、具体的に書くことが大切です。
- 数字やグラフを使って視覚的に説明する
- 論理的に話を進める
- 要点をわかりやすく、言いたいことを絞る
この3つのポイントを意識するだけでも、資料の読みやすさが変わってきます。
とくに、要点を絞ること!
ついつい「あれも!」「これも!」と言いたくなってしまうのですが、資料ですべてを説明する必要はありません。
それは、プレゼンしながら口頭で補足していけばいいので、資料は一番言いたいことを簡潔に、具体的に書くようにしましょう。
設計図を作ってから作成を始めること
文章を作る時に見出しが必要なように、資料にも設計図が必要です。
- 何が課題なのか
- 何を解決しようとしているのか
- 最終的に何を伝えたい、理解して欲しいのか
この点をまず書き出してみましょう。
その骨組みに従って、
- どんな数字が必要か
- どんな表、グラフが必要か
など、肉付けの部分を考えていくといいと思います。
面倒でも設計図を大まかに作り、それから作業を始めれば、出来上がった時に「何を言いたいんだろう?」と本筋から剃れた資料になってしまう、ということは避けられます。
読みやすい資料の作り方、誰でもできる15のコツ
何のための資料なのか?という基本を踏まえた上で、読みやすい、パッと目に入る!という資料には「型」があるということを説明しますね。
その型を理解して、自分が作る資料に合わせて使い分けることができれば、いつでも読みやすい資料を作ることができます。
そのコツを15個ご紹介するので、資料作りに活かしてください。
1. スライドは1枚にあれこれ詰め込まない
スライドを使って説明する場合は、1枚に1つのメッセージというのが基本です。
というのも、1枚にたくさんの要素を詰め込んでしまうと読むのに必死で、結局何が言いたいのか頭に入ってこなくなるからです。
2. レイアウトは「ZNの法則」を使う
人は複数の要素で構成されている文書を見るとき、縦書きなら右上から、横書きなら左上から見るという習性があります。
この習性に従って、見やすくレイアウトするのが「ZNの法則」です。
- 縦書きのものは右上から始まる「N」
- 横書きのものは左上から始まる「Z」
このようにして複数の要素を並べると、ストレスなく視線を動かすことができるので、とても読みやすい資料になります。
3. 適度な行間、文字間
文字間、行間、これも重要な要素です。つまり過ぎていると読みづらいし、逆に開きすぎていても読みづらいんですよね。
しかし、自分ではこれがなかなかわかりにくいもの。資料を作りながらずっと見ているので、目が慣れてしまっています。
実際に印刷してみて、ぱっと見た時に文字が読みやすいかどうかを、自分以外の人に見てもらうのが一番です。
4. 端を揃える
図や文章の端がずれていると、とても違和感があります。
全体的にバラバラな印象を与えてしまうので、上下左右のラインを揃えて文書を作るととてもまとまって見えるようになります。
5. 表記を統一する
表記にゆれがあると、見栄えの悪い資料になります。
- 半角英数と全角英数が混ざっている
- 「いろいろな」と「色々な」など漢字とかなが混ざっている
- 「1ヶ月」と「1か月」のような表記の違い
これらはルールを決めて、1つの資料の中で表記が混ざらないようにしましょう。
6. 色を使いすぎない
カラフルな方が見やすいかというと、そんなことはありません。逆に雑多な印象になってしまうので、使う色は3色までにしましょう。 ベースカラー 一番多く使う色。背景色などに使うので、白や薄いグレー、ベージュなどを使うことが多いです。 メインカラー 見出しなどに使う色です。パンフレットなどでは企業のイメージカラーを使ったりしますが、資料なので黒や濃いめのグレーなどはっきりした色を使いましょう。 アクセントカラー とくに強調したいところに使う色。メインカラーと同じ系統だと見づらくなるので、反対色がいいかもしれません。
割合としては、上から70%、25%、5%くらいにするとバランスが良くなります。
3色のバランスが良ければどんな色でもいいかというと、そうではありません。
人は色から受けるイメージというものを持っていて、無意識のうちにその特性を判断しています。
- 赤:禁止など
- 黄色:注意など
- 緑、青:OK、許可など
アクセントカラーを使う時はとくに、この特性を意識して色を選んでみてください。
7. 見やすい書体・サイズを選ぶ
資料はPOPなどとは違いますから、とにかく読みやすい書体が一番。
- 明朝体
- ゴシック体
- メイリオ
などが見やすいでしょう。
フォントサイズがあまりに小さいと見づらいです。
どんな媒体で使っても読めるよう想定しましょう。
8. 表は背景色を入れる
表は数字だけだととても見づらいものです。
- 1行おきに背景色を入れる
- タイトルの色も変える
- 表の幅を揃える
などの工夫をすると見やすくなります。
9. 表は縦軸を長い方にする
表を作る場合は、横に目で追っていくよりも、縦に追っていった方が見やすくなります。
項目が多い方を縦軸にして、縦長の表にするようにしましょう。
10. 比較は文字よりも「数」の方がわかりやすい
表を使って何かを比較する時、数字だけ比較できればいいのですがそうでない場合は星の数などで表記してみます。
例えば、総合的な「使いやすさ」のような項目は数字では表しにくいですよね。
そんな時は
- 商品A:★★
- 商品B:★★★★
などのようにするとぱっと見た時にわかりやすいと思います。
11. グラフの幅と強調
売上がこんなにあがりました!という成果を強調したい時、折れ線グラフの幅が広いと成長が緩やかに見えてしまいます。
そんな時は幅を狭くすると「上昇」を強調できます。
何を強調したいのかによって、幅を調節してみてください。
12. グラフは目的別に使い分ける
比較をする時によく使われるのがグラフですが、いくつか種類がありますよね。目的に合わせてグラフも使い分けます。
例えば、支店ごとの売上を比較するなら棒グラフが適しています。
今年1年の売上の推移を見せたいなら、折れ線グラフが適しています。
何を強調したいのかによって、種類を変えてみてください。
また、全て同じ色だと見づらくなることがあります。
どのようなグラフの形であっても、一番見て欲しいところの部分の色を変えるなどして強調してみてください。
13. 画像は縮尺を変えない
画像を差し込む場合は、極力尺度は変えないようにしましょう。縦と横の比率を変えてしまうと、見た時にとても違和感があるからです。
これは読みにくい! 見づらい資料の特徴
これまで説明してきたポイントを押さえてもらえれば、読みやすい資料を作ることができます。
逆に、これは読みづらくなってしまうというポイントも知っておきましょう。
- 文字が多い
- 文字が小さい
- 表現が抽象的、数字がない
- 筋が通っていない
- 色が多い
などです。
作った資料を一度遠目で見て、パッと内容が頭に入ってくるかどうかを確認してみて下さいね。
できれば誰か他の人に見てもらい、フィードバックをもらうといいでしょう。
見やすいと思った資料があったらどんどんストックしよう
資料作りは数をこなせばできるようになってきます。そのためには自分で作ることも大事ですが、これは読みやすいなと思った資料があったら、どんどんストックしておきましょう。
いいところを自分の資料にも取り入れていくことで、資料作りが上手くなっていきます。
慣れていない人は、上手い人の資料をどんどんパクれば良いのです。
読みやすい資料を作るコツは手紙を書くつもりで作ること
読みやすい資料を作る一番のコツは、読む人のことを思い浮かべることです。
誰が何のために読むのか、それによって作り方が変わってくるのですから、読み手を想定しない資料作りはあり得ません。
資料全体のイメージ、強調すること、レイアウトなど、読み手に合わせて作れるというのが読みやすい資料作りの一番のポイントなのです。
資料は自分が言いたいことを伝える、理解してもらうためのものですから、読み手を想定することで、自然とできるようになっていきます。
コメント